先日引き取ってきた、奈良のNさんのRZのエンジンを分解いたしました。こわれた部品から判断すると、疲労消耗からクランクの左の大端ベアリングがバラバラとなり、その砕けた破片が左シリンダー内をかき回してピストン他シリンダー内にダメージを与えたということでした。オイルポンプは正常に働いていたのでピストンとシリンダーには焼きつきと言うようなキズはなく良好な燃焼をしていました。
RZのエンジンで圧倒的に多いのが、ピストンとシリンダーの焼きつきです。オイルとかなり関係が深いトラブルです。そして、改造車でチャンバーを着けた車両でのセッティング不足。街乗りはそれほど負荷がかかりませんが、特に高速全開走行はエンジンがヒートしてきます。水温が上がっても走りつづけるとピストントップが溶け始めていきます。こちらはミズノも若い頃経験しています。180メーターをふりきって大型車に着いて行った時、水温の針が赤に入っているのも知りながら、5分位して急にキルスイッチを切ったように止まりました。その場で、冷えてからとりあえずエンジンはかかりましたが、力が無く異音がして、後に分解したら、ピストンのトップの部分が随分とけていました。一瞬は穴があいたのかもしれませんね。
今回のNさんの症状は、当店で過去に1例ありました。大端ベアリングがどうするとイカレるか、と言うところまで追求できるほどの症例はありませんが、イカレる前に異音などあったかもしれません。Nさんも今まではあちこちのバイク屋さんでメンテしておられて、主治医?のようなお店がなかったとのこと。
それが専門店であれば、もう少し早くにトラブルを防げたかもしれません。